生産性

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 初めて飯塚先生の講演を聞いた時、飯塚先生の考え方にとても感銘を受け、「飯塚先生の言うことを実践していこう。それ以外のことはする必要がない。」と心に決めた。

 ある時、飯塚先生は「社員の報酬については同業者よりも2割高い給料を目指しなさい」と言った。その根拠を先生は言わなかったが、僕は「2割高い給料」という言葉が強く頭に残った。
 また、飯塚先生は「私は17年間事務所に出たことがありません。でも我が事務所は毎年伸びています。」という話もしていた。その真意は「人を育成して、組織を作る」ということ。しかし、その当時の状況では支払い能力がなかったから、社員に2割高い給料を払うことができなかった。皆が高い給料を取れるようになるには、能力を高めて生産性をあげてもらわなければいけないと思い、だから、僕は毎日朝の7時から研修を行った。社員の教育に沢山の時間とエネルギーを注いだ。飯塚先生は一つの事業体を大きくし、大きい組織を作り、TKC全国会を作った。だから、飯塚先生の考え方を踏襲すれば組織を作ることができるだろうと思った。

 飯塚先生が常に言っていたことは” 生産性”ということ。その例として飯塚先生は「飯塚毅会計事務所で所長代理といえども、月収10万円取っている人間は誰もいない。なんたることか。この飯塚だったらすぐ50万くらいとってみせる。」と言っていた。飯塚先生とはいえども、50万の給料を取れる生産性の高い人間を育成するのは難しいのだと思った。しかし僕はそれを聞いて、早く年俸600万とれる人間を育てたいと思った。

 とある本を読んだ。「経営を主観で行ったら、経営は滅びる」と書いてあった。主観というのは感情。多くの人は感情を入れてしまう。「可哀そう」「頑張っているから」「だから給料出してあげなきゃ」「よそも賞与出しているから出さなけれ…全て感情である。
 しかも本人は感情でやっているということに気付かない。そうしていくうちに破綻していく。人柄の良いことは大切である。しかし、厳しさもなくてはならない。「いいよ」とは誰でも言えるけれど「NO」とは言えない。事業を伸ばすには仏の心と鬼の心が二つなければいけない。今、社員皆が力をつけてくれたおかげで良い給料を支払えるようになってきた。僕が今、直接関わっている仕事は、多い時に比べれば三分の一程度だ。しかし、会社全体の収入は増えている。僕の稼ぎが減っているにも関わらず、会社の収入は増えている。それは皆の力がついてきているということ。20、30年前では考えられなかったことである。

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