進化

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 4月からは良い機会だから我々のやり方を変えようということで、東京出張の申請が出た時に僕は各人に「なぜ行く必要がある?行かなくても済む体制を作ろうとしているのに、なぜ行かないといけないのか」と質問した。
 それなりの言い訳があった。例えば、「決算だから最終的に行かないといけない」とか。僕は「じゃあ決算でも行かないで済むにはどうしたらいいか」という考え方と行動が欲しいと思った。行かずに済んで、尚且つお客様が満足するような。そういった、より高いところに行く。それが仕事に対する進化である。

 なぜこんなことを言うかというと、今、デジタルネットワークの時代でこのデジタルに打ち勝たない以上は淘汰されていくからだ。
 今朝、録画した武田鉄矢さんが司会をしているBSのとあるテレビ番組を見た。「活動弁士」がその回の番組のテーマだった。活動弁士とは、無声映画の時代に映画を映しながらその横について映画の場面を解説していた人のこと。最盛期には、日本全国で活動弁士は8,000人いたそうだ。最盛期の当時、活動弁士として一番有名だったのは「生駒 雷遊」という人で、驚くことに当時の総理大臣よりも給料をとっていたそうだ。活動弁士はそれほど華やかな職種だった。でも、今は日本で10人ほどしかいない。きっと、進化できなかったのであろう。しかし、今日番組に出ていた活動弁士の師匠と弟子の2人は、今でも世界を飛び歩いて活躍しているそう。その人たちは進化できたのだ。その番組を見ながら、「我々の仕事も進化しなければいけない。じゃあ我々の進化ってなんだろう。」ということを考えていた。
 出張をなくしたことで、我が社の通信交通費が2ヶ月で約70万円も減った。1年で考えたら400万円減ることになる。そうすると400万を社員に分けられるのである。これからは「人が動かないことによって収入を上げる」「相手を満足させる」ということが進化だと思う。

 僕は、特にデジタルネットワークというものを駆使しない企業は全て滅びていくと思っている。だから、デジタルネットワークを縦横無尽に使うことによってお客様に満足してもらう。そして我々も無駄な経費を使わない。そのように進化できたところが生き残っていく。今日僕は自宅でGoogleを使って調べ物をした。そうしたら、沢山の情報が一瞬で表示され、すぐに分かる。専門的な知識がなくてもこういったものを駆使することによって学者と同じような知識を身に付けられる。だから、「自分は専門職だ」と言っていたら取り残されてしまう。専門職というのがますます必要でなくなる時代がすぐそこまで来ているのだ。そういうネットワークのデジタルの時代に対応できるような自分づくりをしなければいけない、あるいは会社も会社作りをしなければいけない。そういう意味で社員には、ぜひ自分たちを進化させるようなそういった心構えを持ってほしい。

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