努力

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 先日ある方に、「小林先生は地獄を見たことはありますか?壁にぶつかったことがありますか?私は今地獄を見て壁にぶつかっているんです。」と言われた。私の若い時は地獄と壁の連続だった。地獄に落ちて這い上がって、そしてまた地獄に落ちて這い上がって、その連続だった。

 人生で地獄を見ない人は“人生の成功者”とは言えない。成功した人は皆、人生の地獄を見ている。そこから這い上がるか、這い上がらないかの差である。高い目標に挑戦しなければ地獄を見るということはない。人と人並みのことを考えていたら地獄などない。僕が30代の頃、人が寝てる2、3時に起きて車で東京に行って仕事をしていた。まだ中央道は長野まで開通していなかったから、大月まで下の道で行き、甲府へ行くと5時頃になった。そうすると春から夏にかけては農家の人が働きに出ている。それを見ながら「やっぱり農家の人は朝早くから働いているなあ。自分も朝早くから仕事に出ているのだから、自分の人生は人並みじゃないはずだ。」と自分に言い聞かせた。

 僕は裁判を何回も経験してきたけれど、もし精神的に僕が地獄を見ていなかったらきっと全部負けていただろう。NKビルの前の通りで、ある人から罵声を浴びせられたこともある。その時にも、僕は強く言い返した。もし僕が精神的に弱かったら、そんなことは言えなかっただろう。地獄を何回も見たことによって僕の心はとても強くなった。4億5千万の借金を背負っていた時、返すために夢中で働いた。当時、海外へ留学している息子の生活費を届ける十分なお金がなかった。TKCから講演の依頼があれば、喜んで受けて、その講演料を息子に届けた。それほどまでにお金に困っていたが、それでも4人の子供を教育してきた。3、4人の子供を教育するのは並大抵のことではない。でも、そのおかげで、子供のおかげで、僕に力が付いた。努力というのは必ず報われる。しかし、生半可の努力じゃ報われない。必死になってやる努力というのは報われるものである。

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